こんにちは。最近では厚底シューズが話題となり着用している市民ランナーも多く見かけるようになりました。
今回はニューバランスから発売されているのエリート向け厚底ランニングシューズ「Fuelcell RC Elite V2」についてレビューしていきます。
Fuelcell RC Elite V2の特徴
高弾力素材「Fuelcellフォーム」をフルレングス・規格限界厚みで使用
「Fuelcellフォーム」はニューバランス史上最高反発・最軽量のソール素材で、RC Elite V2には「Fuelcellフォーム」がフルレングスで使用されています。
また、ソール厚みも39.8mmの厚底シューズです。
カーボンプレートをフルレングスで使用
RC Elite V2はお馴染みのカーボンプレートが搭載されており安定性と反発性に寄与しています。
前作に比べてプレートの前足部の反り上がりが強くなっていて重心移動をアシストする設計になっているようです。
他ブランドに比べてプレート自体も柔らかくしならせやすいです。
オシャレなカラーリング
カラーは3種類(パープル、ホワイト、ピンク)と選択肢が豊富で好みや服装に合わせやすいです。
特にパープルはアウトソールの色が左右で異なる奇抜デザインです。ナイキだらけの昨今のマラソン大会では目立つこと間違いなしです。
筆者もデザインで衝動買いしてしまいました(笑)。
アッパー・サイズ感
横幅を選択可能
ウィズ(横幅)を2種類(Dと2E)から選ぶことができます。エリートモデルは横幅がタイトで足型を選ぶシューズが多いため、幅広な人には嬉しいラインナップですね。
ゆったり目のボリューム
サイズは他のニューバランスのシューズと同じで問題ありませんでした(参考にFuelcell revel V2、Fuecell RC Elite初代、ナイキVeporflyと同じサイズで履いています)。
筆者は足幅が細身のためDサイズを選びましたが前足部の横幅がややゆったり(E相当)に感じました。
踵はピッタリと収まりつつ、トゥーボックスにゆとりがあり足指が動かしやすかったです。
アッパーのホールド感・通気性は良好
アッパーは薄手ですが硬すぎず適度に伸びます。
キロ3分~6台で走ってもブレ感や圧迫感を感じずフィット感が良好でした。
アッパーにはパンチング(穴)があり通気性も良好です。
踵部はしっかりと厚みがあり補強も入っているため、踵のホールド感も良いです。
アウトソールの耐久性は低そう
アウトソールは今主流のフラットで足抜けがスムーズです。
しかしラグ(溝)が浅くミッドソールの大部分がむき出しになっているため、アウトソールが削れるとミッドソールが地面に当たりグリップが落ちそうで不安になります。
100km使用した状態ではグリップに問題はなく濡れた路面でも滑らなかったです。
実際の走行感
クッション性と安定性を高次元で両立
「Fuelcellフォーム」自体が他ブランドのソール素材に比べて柔らかく厚底のため、シューズを履いて一番に「クッション性と接地の柔らかさが抜群に高い」と感じました。
一方でカーボンプレートがシューズの剛性を上手く保ってくれていて、トレードオフになりがちな安定性も高いことに驚きました。
ソールが柔らかいと接地を失敗した時にパワーが伝わり切らない感じがありましたが、RC Elite V2は多少雑に接地しても真直ぐパワーが伝わるように感じました。
走法を選ばない
走り方を色々と試しましたが、フォアフットでもヒールフットでもストライドでもピッチでも走り方を問わず一律に推進力が得られて走り方を選ばないシューズだと感じました。
踵から接地してもつま先で踏み切るタイミングで反発が貰えるように感じられ、生粋のヒールフッターであればヴェイパーフライよりも速く走れるのではないかとすら感じました。
エリートモデルはフォアフットを意識した設計が多く踵の安定性が低いモデルが多い中「RC Elite V2」は踵の安定性が高く推進力も得られることが一番の魅力だと考えます。
しいて言えば、ソールが柔らかく沈みやすいため、速いテンポで蹴るよりもソールを潰して弾む方が走りやすく感じました。
推進力を感じないのに速く走れている
RC Elite V2でシューズでTT(タイムトライアル)をしても驚くような推進力を感じられずガッカリしていましたが、本気よりも少しリラックスしたペースでは自分の感覚と疲労感に対してかなり速いタイムで走れていました(キロ4分半の感覚で4:10で走れていました)。
クッション性の高さから地面からの衝撃・反発を感じず、遅いと錯覚してしまったのだと考えます。
したがって、リラックスして走っても好タイムが出せる性能が高くフルマラソン向けだと感じました。
ペース感覚を掴みにくく加速感が低い
欠点としては、高いクッション性により接地感が少ないため、ペースを体で感じにくくペースコントロールが難しいと感じました。
また、踏み込んでも反発が戻ってくるまでラグタイムがあり加速感が低かったです。
接地感や加速感を重視するランナー(薄底派)とは相性が良くないかもしれません。
オススメのペースは?
キロ5分(サブ3.5)付近からがオススメ
シューズ自体のクッション性と安定性が高く「Fuelcellフォーム」はペースが遅いほどクッション性が高まるように感じるため幅広いペースで使えると考えます。
ただし、キロ6分付近のペースでは厚いソールが意思に反して勝手に弾んでしまって、かえって疲労がたまりやすいと感じるため「Fuelcell revel」やFuelcell prism」の方が走りやすくオススメです。
キロ5分(サブ3.5)より速いペースであれば勝手に弾む反発性を受けきれて、クッション性のメリットも十分に得られると考えます。
真価を発揮するのはエリートペース
「Fuelcellフォーム」は速いペースほど反発性と硬さが増す感覚があるのですが、RC Elite V2はソールがかなり厚いため、かなりの加重を加えないとソールの性能(反発感)を出し切れないと感じました。
筆者の走力(サブスリー)ではキロ3分前半までペースを上げてやっとカーボンプレートのしなりとソールの反発感を感じました。やはりこのシューズの真価を発揮するのはエリートランナーのペース(サブ2.5付近)のようです。
しかし、サブ3~3.5(キロ4~5)のペースでもクッション性と推進力は十分なためエリートランナー以外でもフルマラソンで活躍してくれると考えます。
まとめ
- トップクラスのクッション性
- クッション性と安定性を両立している
- 癖が少なく接地方法を選ばない
- サブ3.5からエリートランナーまでオススメ
非エリートランナーでも履きやすいハイスペックシューズをお探しの人やFuelcellシリーズのファンに是非ともオススメのシューズです。
コメント
初めてコメントさせて頂きます。62歳のランナーです。ちょこざいさんのブログ、助けになっております。
ここで、レース用の厚底シューズを購入しようと検討しているのですが、アデオスプロ2か、フューエルセルエリートv2あたりどちらにしようかと考えていますが、
コメントを頂ければ幸いです。
当方、日頃のランニングは、ピッチ175〜180ちょい超え、閾値は、4:20/km位。
月に150〜180km、
フル3:30、ハーフ1:34台。
今、練習用シューズとして、アディゼロジャパン6、ウエーブエアロ19、エボライドあたりを履いています。
いつも見て頂いてありがとうございます!
2つを比べるとフューエルセル(以下FC)エリートv2の方がクッション性・安定性重視で標準的なサイズ感、アディオスプロ2の方が反発性重視、狭めのフィット感と感じております。
普段の練習シューズの足型と目標ペース(サブ3.5~3?)からすると、FCエリート2の方が足にフィットしてレース終盤まで走りやすく良いタイムが出やすいと考えます。
アディオスプロ2の方がスピードは出しやすいのですが、キロ4分半前後のペースを楽に維持しやすいのはFCエリート2かと思います。
一点、FCは柔らかく沈み込みが苦手な方もいます。同じくニューバランスのFCレベル2というシューズが比較的近いクッション感で店頭にもよく置いてあるため、そちらで違和感が無ければFCエリート2がオススメです。
怪我に気をつけつつレースに向けて頑張ってください!