試走での走行感
反発よりも回転による推進力が高い
反発性はターゲット相応で驚くほどの反発性はありませんでしたが、弓上に反りあがった「ガイドソール」によって重心移動がとてもスムーズでした。
走行感としては、ある程度シューズに委ねてガイドソールの動きを邪魔しないように動く方がオートマチックに進んでくれました。良かれと思って自分から積極的に踏んだり重心を速く移したりしましたが、シューズと喧嘩しているように感じました。
逆に言えば実力相応のスピードをリラックスして維持できる特性が高いと感じました。
安定感が優秀
ドロップは5mmと近年のシューズとしてはフラットで自然な接地感です。
ソールの厚みも前足部23mm、踵28mmと厚すぎない設計です。またソール素材の「FLYTEFOAM BLAST」はアシックスらしく沈み込みが少なく安定性が高いです。このソール素材も相まって安定性が高く感じました。
前足部のカーボンプレートにより前足部の抜けがとても安定していました。また、カーボンプレートは前足部にしか搭載されていないためカーボンプレート特有の足裏への突き上げ感は少ないです。一方、前足部がやや内側に倒れる傾向があり、プロネーションが強い人は違和感を感じるかもしれません。
ペースはターゲット相応(サブ3~3.5)
ペースの感覚としてはターゲット相応に感じました。
シューズの回転性が高いので、サブ4(キロ5分40秒)より遅いペースではシューズの回転が先行してピッチが上がり過ぎて体力を消耗する可能性があります。サブ4狙いの場合はよりハイクッションモデルの「Hyper Speed」の方が相性が良いと考えます。
サブ3~3.5(キロ4~5分)ペースではシューズの回転性と反発のバランスが良く、丁度良いピッチで走ることができました。
踵の屈曲性が高くヒール接地とも相性が良い
「MAGIC SPEED」で最も特徴的と感じたことは、踵の屈曲性が高いことでした。
踵周りの屈曲性が高いことで、ヒールで接地した際にどの角度から入ってもブレーキが掛かり難く重心移動がスムーズでした。
ヒール接地の速いランナーも沢山いるにも関わらず、レースシューズの大半はミッド~フォアフット寄りのものが多いためシューズ選びに苦労しているランナーも多いのではないでしょうか。
以上の特性から「MAGIC SPEED」はミッド~ヒール接地のランナーに特にオススメです!
まとめ
- 踵のホールド感がアシックスにしては低め
- 回転性、安定感が高い
- カーボンプレートの突き上げが苦手な人にオススメ
- ヒール接地のランナーにもオススメ
- サブ3~3.5のランナーの練習用、レース用ともにオススメ
エリートモデルの「META SPEED SKY(メタスピードスカイ)」とスペックが近いため、こちらのトレーニングシューズとしても活用できると考えます。
以上、「MAGIC SPEED」の試走レビューでした。今回の新モデル投入でナイキからシェアを取り戻すことができるが楽しみですね!
コメント