走行感
クッション感は少ないが安定性が高い
かなりの厚底ですがクッショニングは硬めです。これまでのボストンはクッション性が高く脚に優しかったのですがボストン10はクッション性に頼るシューズではないと感じました。
一方で、ソールが沈み込まずソール面積も広いため安定性が非常に高かったです。
ストライド走法向き?
シューズに重さがあり反発性を生む機構が備わっているため、足をスムーズに転がすよりもソールとエナジーロッドを使って反発させた方が走りやすかったです。実際の走行時のデータもピッチが下がってストライドが伸びており、どちらかと言うとストライド走法向けだと感じました。
ソールをミッドフットで面で押すよりも、エナジーロッドのある前足部を点で押した方が反発を貰いやすかったです。こちらは走り方で好みが分かれる思います。また、エナジーロッドは前足~中足部にのみ搭載されているため、フルレングスのカーボンプレートのような突き上げ感が少ないと感じました。
シューズ自体は重めだが…
シューズの質量は280g(27.0cm)と重めのため、初めて履いた時はやはり重さを感じました。
しかし、接地位置やエナジーロッドの感覚を掴んでくると、脚が自然に回ってくれてスペックの様な重さは感じなかったです。バスケットボールのドリブルの様に、シューズ自身を弾ませることでスムーズに脚が回りました。
そのため、レースシューズとして使用する場合には多少の履き慣らしが必要だと考えます。
サブ3.5~サブ4のランナーにオススメ
キロ6分~4分(サブ4.5~サブ3)のペースで走りました。筆者の走力はサブ3~2:55でピッチは180/分程の中間的な走法タイプです。
キロ6分台
キロ6分台のペースではエナジーロッドの反発感は感じられず、安定感とソールの硬さが目立ちました。
フルマラソン4.5~完走を目指す場合には旧型のボストン9の方が走りやすいと考えます。
キロ5分台
キロ5分台では体重を乗せるだけでもソールの反発してくれて、さらに踏み込むと踏み込んだ分にソールが弾んでくれてペースのコントロールもしやすかったです。反発性もある程度得られるためシューズの重さも気にならなかったです。
試したペースの中では一番楽にペースを維持することができ、レースシューズとしての適性はサブ3.5~4付近だと感じました。
キロ4分台
キロ4分台(サブ3.5~)ペースではソールの反発に加えて、前足部で捉えるとエナジーロッドによる反発性も増してくるように感じました。
ストライドが伸びているのが感じられ、同じペースでも大きく余裕のあるフォームで走ることができました。反対にピッチを上げようとすると重さが目立ったため、シューズの反発に合わせて脚を回した方が走りやすいと感じました。
このペースでは衝撃から脚を守りながらも自分から踏み込む動作を養うことができるためトレーニング用としても最適だと感じました。
一方で、キロ4分付近(サブ3~)のペースに達すると重さが目立ちました。踏み込むことでキロ4分を切るスピードを出す性能はあるのですが踏み込みと重さによるエネルギー消費が激しいと感じました。このキロ4分より速いペースでは「アディゼロジャパン」や「タクミセン」の方が走りやすいと考えます。
まとめ前作とスペックが大幅に変更された
- エリートモデル「アディオスプロ」と同じテクノロジーを採用
- サブ3.5~4狙いのレースシューズ、サブ3.5~3ランナーの練習用にオススメ
- クッション性よりも安定性、反発性重視
- ストライド走法の人にオススメ
エリート向けモデル「アディオスプロ」を基に設計されたモデルのため、最新のテクノロジーを搭載しつつ手の届く価格とスペックに仕上がったシューズです。ショップで見かけた時には是非とも履いていただきたいです。
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