こんにちは。フルマラソンは42.195kmという長い距離を走り続けるスポーツですが、市民ランナーのほとんどは後半にペースがガクンと落ちたり、走れなくなることが多いです。筆者も初めてフルマラソンを走った時に終盤に脚が攣って地面を転げまわった過去があります。
今回はマラソンで大失速する要因についてまとめました。
マラソンで大失速する要因
脚攣り
マラソンで失速する原因で一番多いのは「脚攣り」ではないでしょうか。脚が攣るとペースが大幅に落ちるだけでなく、精神的にも辛くなってしまいます。
脚が攣る原因については未だ完全に解明されていませんが、以下の要因が主と考えられています。
ミネナル不足
運動する原理として、脳から筋肉に「収縮しなさい!緩ませなさい!」という信号を出すことで体を動かしています。ここで、脳からの命令を筋肉に伝達する役割を担うのが「ミネラル」です。
ミネラルはカルシウムやナトリウム等のイオンの総称ですが、ミネラルは汗とともに体外に排出されてしまいます。多量の発汗によって血中のミネラルの濃度が低下すると筋肉への命令が正しく伝達されず筋肉が痙攣を起こしてしまいます。これが栄養学の観点の脚攣りのメカニズムです。
また、多量に汗をかいた脱水状態の時に水だけを摂取していると血液中のミネラルの濃度が低下し、これによっても攣りやすくなります。
そのため、脚攣り防止のためには適度にスポーツ飲料やサプリなどからミネラルを補給する必要があります。
疲労
そのままですが、疲労が溜まっても脚が攣りやすくなります。原因としては、長時間にわたる筋疲労または神経の疲労によって脳からの信号が正しく伝達されなくなることで痙攣を起こしやすくなると言われています。
経験的に長時間のトレーニングを積むことで脚攣りのリスクを低くできることが知られています。
ハンガーノック(エネルギー切れ)
長時間の運動によりエネルギーが無くなって動けなくなってしまう「ハンガーノック」という現象があります。
人間は運動するために糖質をエネルギー源としており、グリコーゲンという形で肝臓と筋肉に蓄えられています。一般的な成人男性で体内に貯蔵できるグリコーゲンの量は500~1000キロカロリー分と言われています。一方、フルマラソン1回の消費カロリーは約2500キロカロリーであるため、体内のグリコーゲンだけではエネルギーが枯渇してしまいます。そこで、人の体は脂肪を燃焼させることで足りない分のエネルギーを生み出しています。
しかし、脂肪を燃焼させるためにもグリコーゲンが必要であるため、糖質が足りなくなるとエネルギーを生み出せなくなり体が動かなくなってしまいます。
そのため、ハンガーノックの防止のためにはエネルギー補給が必須と考えられます。
30kmの壁
フルマラソンには「30キロの壁」と言われる区間があります。
30キロ時点を越えると急に体が重くなり、ペースも大幅にダウンし、1キロがとても長く感じます。一部の持久走に適性がある方を除いてほとんどのランナーが経験することとなります。特に大失速している時に他のランナー達に抜かれ続けていくと精神的にも辛くなります。
原因としては疲労の蓄積、オーバーペース、集中力の低下などの要因が重なって辛くなるタイミングが30km時点と重なるためと考えます。
対策
脚攣り対策:電解質サプリと水分補給
汗で失われるミネラルを補填するために、ミネラルを含むサプリを摂取するのが効果的です。
ミネラル系のサプリにはタブレット型や糖質も一緒に摂取できるタイプのものなど沢山種類があります。
また、給水所でも水だけでなくスポーツドリンクも飲めばミネラルを摂取できます。固形物は吸収が遅いですが、バナナにはカリウムが多く含まれ、キュウリや塩漬けもミネラルを多く含むのでオススメです。
以上が補給面の対策ですが、どんなにサプリを飲んでも筋肉が負荷に耐えられなくなったら脚は攣ります。長い距離に耐えられるようにトレーニングを積むことが一番の対策だと考えます。
ハンガーノック対策:エナジージェル、行動食を持ち歩く
レース中のエネルギー切れを防ぐためにはジェル等で糖質を摂取するのが効果的です。
ジェルの数や摂取するタイミングは個人差があるので試行錯誤する必要があると思いますが、10km毎(計3~4個)が目安です。
エネルギー切れを感じた時点では遅く、回復にかなり時間がかかってしまうため、10km、20kmとまだ余裕のある時点でも摂取した方が良いと考えます。
30kmの壁対策:なんちゃってネガティブスプリット
フルマラソンに慣れていなかったり、自己ベストを狙っていると、最後までペースダウンせず完走することは至難の業です。正直に言うと30kmの壁を克服するには練習あるのみですが、長距離の練習を継続することもハードルが高いですよね。
レース本番に限りマラソン後半の大失速の対策としてオススメしたいのが「なんちゃってネガティブスプリット」です。
ネガティブスプリットとは、前半にペースを下げて体力を温存し、後半からペースを上げいく戦略です。しかし長距離の適正か入念なペース管理がなければ疲れ切った後半にペースを上げることは難しいです。そのため後半にペースを上げなくても「ネガティブスプリットの気持ち(なんちゃって)」で前半にペースを抑えて走り、後半はそのペースを維持するために頑張るだけでも十分に30km以降の失速を軽減する効果があります。
余力があれば30km以降からペースを上げて本当のネガティブスリットにすれば良いのです。
まとめ
- 脂肪燃焼にも糖質が必要なので、糖質の補給が必要であり、ジェルの携帯が有効
- 脚攣り対策にはミネラル摂取が有効
- 30kmの壁対策として、前半のペースは抑える
- トレーニングが一番の対策
後半にも強いランナーを目指しましょう!
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