<レビュー>中厚底界最強のクッション性!スパートに強い「Fuelcell supercomp pacer v2」

ランニング

こんにちは。昨今厚底シューズが主流となってきましたが、薄底シューズの良さも改めて認識されるようになり、その間となる中厚底のシューズも増えてきました。今回はニューバランスの中厚底シューズ「Fuelcell Supercomp Pacer v2」(SC Pacer v2)についてレビュー致します。

「Fuellcell supercomp pacer v2」の特徴

ロードレース向けのスピードモデル

「Supercomp pacer v2」は5km〜ハーフマラソンまでのロードレース用がコンセプトの長距離スピードモデルの位置づけとなっています。スペックと前作との違いは下記のとおりです。

  • ソール厚みは最大33mm(前作は25mm)
  • ドロップは8mm(前作同様)
  • 高反発性素材「Pebax」を100%使用(前作はEVAベース)
  • カーボンプレート「Energy Arc」を全面搭載(前作同様)
  • 重量は200g(26.0cm,前作は約180g )
  • 定価25,850円(前作は19,800円)

一番のアップデートとして、前作に比べて8mm厚底になりミッドソールには昨今主流の「Pebax」が使用されたことで反発弾性が高い設計となりました。

海外情報によると、「Supercomp pacer v2」は女子米国マラソン記録(2:18:29)保持者のエミリー・シソン選手の走行データを基にレディースサイズから設計されているそうです。陸連規格により公認トラックレースでは使用できません。

サイズ感・走行感

サイズ感は標準的でやや狭め

サイズ感は前作同様に縦は標準的横幅は僅かに狭め(E相当)でした。

同ブランド・競合ブランドで比べるとFuelcell rebel v4」よりも僅かに狭く「アディゼロ タクミセン10」より広めに感じます。アッパーが伸びないため足幅が広いランナーはワンサイズ上げたほうが良いと考えます。

筆者の足のサイズは実寸25.2cmで横幅は細め(D相当)、前作と他モデルは基本26.0cmで履いていて「Supercomp pacer v2」も26.0cmでぴったりでした。

薄く非伸縮性のレーシングアッパー

エンジニアードメッシュのアッパーは薄く非伸縮性のため軽量で追従性が高いです。また、アッパー全体にパンチングが施されているため通気性と水抜けが抜群で重くなり難いです。

シューレースが細くシュータンも薄手ですが十分な剛性で、強く締めても食い込みを感じず甲・足首周りのフィット感も良好でした。

ヒールカップが若干浅くアキレス腱に当たる

唯一、ヒールカップは強度が有りますが踵が少し浅いと感じました。また、履き口にパッドが無くヒールカップ先端がアキレス腱に当たりました

走行感

蹴れる厚底!

第一印象として「厚底シューズ並みにポンポン弾むけど薄底並みに蹴れる」と感じました。

Pebax製の厚底化したFuellフォームによりクッション・バウンド感が高いながらも前足部は接地感がるため、ソールを押しても蹴ってもペースを上げやすいと感じました。ペースの切換えやコントロールがしやすいため、順位やレース展開を意識した駅伝やロードレースなどの用途にオススメです。

反対に、ロッカーが比較的緩く重心移動のアシストは控えめに感じ、典型的なピッチ走法やシューズを転がして走るランナーとは相性が悪いと考えます。

筆者の感覚ではミッドフットで面全体で押して加速したい時にプラスで軽く蹴ると走りやすかったです。

クッション性は競合で最高クラス

薄底要素の強かった前作よりもクッション性・バウンド感が高く別物の走行感になりました。Fuelcell SC Elite」よりも薄底ですがフォーム自体が柔らかいため、他ブランドの厚底ハイエンドモデル並みのクッション性でした。また、重量は前作より約20g重くなりましたが厚底化によるメリットの方が大きいと考えます。踵のフィッティングさえ合えば普通にフルマラソンにも使いたいです。

筆者の感覚では競合モデルとは下記の序列となりました。競合モデルに比べてクッション性が抜群に高い反面、足抜けが重めでした(それでも200gと軽量ですが)。

  • 推進力:タクミセン10>SC pacer v2>シエロRD≧ストリークフライ
  • クッション性:SC pacer v2≧ストリークフライ>シエロRD≧タクミセン10
  • 安定性:シエロRD>SC pacer v2>タクミセン10>ストリークフライ
  • 軽量感:ストリークフライ>タクミセン10>シエロRD≧SC pacer v2

総じて、厚底シューズより軽いけどクッション性は犠牲にしたくないランナーにオススメです。

「Energy Arc」により安定性も十分

ミッドソール中央部の肉抜きと「Energy Arc」により重心を中心に集めやすく左右の安定性が高いです。グリップも前後左右に十分でトラックのカーブでも膨らまずに曲がりやすかったです。

キロ5分ペースからメリットあり

スピードモデルにしてはクッション性・安定性が高いため、筆者の感覚ではキロ5分より速いペースでメリットが大きいと考えます。

キロ3〜5分では、ペースが上がるほどクッション性が反発に変わる感覚で快適なペース帯が広いです。柔らかいクッショニングにも関わらず高速域(キロ3分ペース)でも反発がクイックでもたつきを感じなかったです。反対に、キロ5分より遅いペースでは沈み込みが目立ちました。

そのため、5kmなど垂れずに完走できる距離に絞れば多くのランナーにとって扱いやすいと考えます。フルマラソンならマキシマムな厚底が苦手サブ3.5確実以上のランナーにオススメです。

まとめ

  • 前作よりも厚底でPebax配合によりクッション性・反発弾性向上
  • 厚底シューズ並みのクッション性
  • ソールを押しても蹴ってもペース調整、切換えがしやすい
  • 踵が浅くアキレス腱が当たりやすいのが難点
  • 軽さとクッション性を両立させたいランナーにオススメ

踵のフィット感の不安さえなければフルマラソンにも使いたいくらいナイスなシューズでした!「ソール厚み≠速さ」と感じられるシューズが増えてきており、レース距離や接地感の好みに合わせてソール厚みにも拘ってみてはいかがでしょうか。

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