<レビュー>癖を削り尽くして推進力とヴェイパー感だけが残った「エンドルフィンプロ4」

ランニング

こんにちは。2024年2月より「サッカニー」から「エンドルフィンプロ4」が発売されました。筆者にとっては初めて履くブランドでしたがイベントの試し履きでハマって即購入してしまいました。実際に履いた感想を以下にまとめました。

「エンドルフィンプロ4」の特徴

ターゲットはシリアスランナー

「エンドルフィンプロ4」は昨今主流の厚底ソールとカーボンプレートを搭載したハイエンドモデルで、情報誌などではシリアスランナー(サブ3相当)向けと紹介されています。

サッカニーの中でもカーボンプレート非搭載の「エンドルフィンスピード4」と更に高反発設計の「エンドルフィンエリート」の中間に位置するモデルです。

スペック

「エンドルフィンプロ4」のスペックと前作との違いは以下の通りです。

  • ソール厚みは39.5mm(前作同様)
  • ドロップは8mm(前作同様)
  • ミッドソールは2層構造高反発素材「PWRRUN HGを追加)
  • カーボンプレート搭載(前作同様)
  • 重量は212g(レディース185g)(前作より8g増加)
  • 中足部の接地面が広がり安定性向上
  • アウトソールが格子状になり軽量化に寄与(前作はフラット)

高反発素材「PWRRUN HG」を新たに追加

前作は「PWRRUN RB」単一のミッドソールでしたが、今作では「エンドルフィンエリート」にも使用されている高反発素材「PWRRUN HGとの2層構造になり反発弾性が高い設計となりました。

フォームの硬さは「アディオスプロ(ライトストライクプロ)」と「ヴェイパーフライ(Zoom X)」の間に感じました。

サイズ感・履き心地

サイズ感はやや細め

普段と同じサイズで問題無かったです。横幅はやや狭めでアディダスやナイキに近いボリューム感です。特に土踏まず周辺が狭め(ナイキ相当)のため偏平足だと土踏まずが当たるかもしれません。

筆者はナイキ(ズームフライ、ヴェイパーフライ)は26.5cm、その他は26.0cmで履いています。「エンドルフィンプロ4」は26.0cmでぴったりでした。

軽量だけどレーシー過ぎないアッパー

アッパーはメッシュとフライニットの組み合わせで、レーシングモデルにしては適度に厚みと伸縮性があり柔らかい履き心地です。軽量性と追従性とのバランスが良いためレース用としても安心感があります。耐久性も高そうです。

内側と踵がやや不安定

唯一気になって点として、アッパーが内側に横ブレしやすいと感じました。オーバープロネーションのランナーだとサポート不足に感じるかもしれません。

中足部が内側に倒れやすく感じます。

また、踵部は強度が低く可も不可もないホールド感です。踵が抜ける感覚はありませんが、アシックスやミズノに慣れているランナーには踵が浅いと感じるかもしれません。

走行感

推進力が高く「ヴェイパーフライ」に近い?

ナイキのヴェイパーフライ」に近い走行感で前足部から前に倒れるようなライド感が特徴的です。

「ヴェイパーフライ」よりもロッカーがマイルドで癖が少ない一方で、カーボンプレート特有のガイド感も得やすく助力と扱いやすさのバランスが良いと感じました。

反発性に関しては縦に弾むよりも反発を推進力に変えやすいタイプで、「ヴェイパーフライ」など競合モデルに比べて反発の最大値は控えめですが崩れた時もペースを安定させやすいと考えます。

踵のクッション感・安定感が高い

アッパーに不安を感じましたが、2層構造のミッドソールのためか沈み込みが少なく安定性とクッション性のバランスが良いです。

特に踵側が接地面積が広めで「ヴェイパーフライ」よりも踵部の安定性とクッション性が高いと感じました。

グリップが強く加速しやすい

アウトソールは濡れた路面でも滑りにくく前後左右にグリップが良好でした。また、ラバーが格子状のため適度に地面に噛みつき、押しても蹴ってもスピードを上げやすく加速性能が高いと感じました。一昔前のイボイボのラバーよりもフラットなため、短いレースからフルマラソンまで広く使いやすいと考えます。

走り方を選ばないが、やはりエリート向け

ピッチとストライドの組み合わせでペースが上がる感覚で、ピッチ・ストライドのどちらでもペースを上げやすいと感じました。

接地については、基本的に前重心(フォア〜ミッド)で推進力を得やすかったですが、ある程度のペースであれば走り方を選ばないと考えます。但し、初心者にありがちなヒールストライク、接地時間が長い走り方だと前足部が詰まる感覚があったため、ある程度の走力またはフォームが身についたランナーにオススメしたいです。

屈曲点は拇指球付近で硬めです。

サブ2:50〜3:30狙いにオススメ

ジョグからスピード練まで使用しましたが、ジョグよりもMペース以上で性能を活かせるシューズで、筆者の場合はキロ3:40〜5:00で走りやすかったです。

シューレースとシュータンが無駄に長いですが、そこが可愛いデザインです。

キロ4分台では積極的に踏まなくても足を置くだけで反発を得やすく体感よりもペースを底上げしてくれる印象でした。キロ4分前後で最も楽に助力を得られて巡航もペース調整も容易でした。

キロ3分台でも十分に高いパフォーマンスで走れますが、このペースで巡航できるランナーなら助力の高い競合モデルの選択肢もありかと考えます。また、キロ5分半より遅いペースだとカーボンプレートの硬さが邪魔に感じられ、非カーボンプレートのエンドルフィンスピード」の方がタイムを出しやすいと考えます。

総じて、フルマラソンならサブエガ~3.5(キロ4~5分)狙いのランナーキロ4分前後で巡航するレース距離なら万人にオススメです。特に、助力とペース維持のバランスを重視するランナーにオススメです。

(追記)距離走を行い、新たに感じたことを下記にまとめました。

<練習記>エンドルフィンプロ4で真夏にハーフ走破!
こんにちは。秋大会に向けてレースシューズを履き慣らそうと思い、サッカニー「エンドルフィンプロ4」を履いて21kmペース走を実施したので追加で感じたことをまとめました。 メニュー・コンディション 今回は練習会イベントを利用してサブ3ペースを想...

まとめ

  • アッパーのホールド感は平凡だが、足に優しい履き心地
  • 走行感は「ヴェイパーフライ」に近いが癖が少なく安定感がある
  • 性能のバランスが良く、助力とペース維持のバランスが良好
  • グリップが強く加速性能が高い
  • サブエガ~3.5前後(キロ4~5分)ペースのレース用にオススメ

初のサッカニーシューズですが、かなり気に入ったため今期のレースシューズの第一候補としました。各ブランドでエリートモデルがオーバースペック化していく中、「エンドルフィンプロ」のような丁度良い位置づけのダウンシフトモデルが増えていってくれると嬉しいです。

タイム更新に向けて頑張っていきましょう!

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