<レビュー>SL2と別物注意!オーソドックスな反発の塊「Adizero Evo SL」!

ランニング

こんにちは。2024年11月より「Adizero Evo SL(エヴォSL)」が発売されました。筆者はアディゼロSLシリーズは初代から履いていて、こちらも気になり早速履いてみましたので感想をまとめました。

「Evo SL」の特徴・スペック

ターゲットはサブ3~4

「Evo SL」は「速さを楽しむ」がコンセプトで公式ではサブ3~4向けとされています。

トレーニングモデルの位置づけですが、エリートモデルの「アディゼロ Evo 1」をベースに設計されていてミッドソールにも高反発素材が使用されており、反発性と軽量性を重視して設定されているのが特徴です。

スペック・SL2との違い

「Evo SL」のスペックとディゼロSL2との違いは以下の通りです。

  • ソール厚みは最大38.6mm(SL2は36mm)
  • 高反発素材「ライトストライクプロ」を全面搭載(SL2は併用)
  • ドロップは6.5mmで標準〜僅かにフラット(SL2は10mm)
  • ナイロンプレート「ドッグボーン」を中足部に搭載(SL2は未搭載)
  • 高グリップの「コンチネンタルラバー」を前足部に搭載(SL2は通常のラバー)
  • 重量は224g/27.0cmと軽量(SL2は232g)
  • 定価は19,800円(SL2は14,300円)

スペック上の一番の特徴として「アディオスプロ」や「Evo1」にも使用されている「ライトストライクプロ」がフルレングスで搭載され、アディゼロSL2よりも反発性が高められた設計となっています。

サイズ感・履き心地

サイズはやや広め

サイズは普段と同じで問題なかったです。縦は他モデルと同様でしたが「アディゼロSL2」や「タクミセン10」に比べて横幅が広め(E~2E相当)に感じました。

そのため、普段から2サイズで迷う場合はワンサイズダウンでも問題ないと考えます。

筆者はアディゼロシリーズは基本26.0cmで履いていますが「Evo SL」も26.0cmでぴったりでした。SL2は26.5cmで履きましたが横幅は「Evo SL」の26.0cm相当に感じました。

快適性とホールド感を両立

アッパーは非伸縮性ながら要所が厚手で、SL2と同様にレースシューズの軽量感とデイリーシューズの快適性のいいとこ取りの履き心地です。シュータンと足首周りも適度に厚手でホールド感と快適性のバランスが良好です。

踵部にはヒールカップが搭載されていて踵のホールド感も良好です。ヒールカップの上側だけ柔らかいのが特徴的で、脱ぎ履きがしやすいだけでなく踵が抜けないホールド感があるけどアキレス腱の圧迫感は感じない絶妙な高さと硬さです。個人的に一番気に入っているポイントです。

「Evo」という名前からレース向けをイメージしていましたが、普段のトレーニングを意識されているアッパーの構成でした。

耐久性は標準的

アッパー自体が比較的厚手なためアッパーの耐久性は高そうです。アウトソールは決して厚くはないですがコンチネンタルラバー自体の耐久性が高いため、アウトソールの耐久性は標準的と考えます。

筆者はアディゼロジャパンもボストンも800km以上走りましたがアウトソールがあまりすり減らず、もう少し薄くても良いと思っていたため、「Evo SL」のアウトソールの厚さは適当と考えます。(ミッドソールの劣化と同じタイミング)

走行感

SL2と別物で意外にオーソドックス

意外にもクッション性、安定性、操作性は至ってオーソドックスで癖が少ない優等生です(ネーミングのハードルが高いせいで肩すかしを感じるかも)。全面にライトストライクプロが使用されていますが踵部はコシのある接地感で全体的な沈み込みは少なめでした。

屈曲点は前足部でプレーレスにしては張りがあります。

ロッカーは強すぎず踵部も僅かにロッカーしていて、実際に走ってみても接地方法は選ばないと感じました。「SL2」は踵で弾む印象でしたが「Evo SL」は中足〜前足部で反発を得やすく「ボストン12」よりは踵も着きやすいと感じました。

反発性を味方につけるべし!

「アディゼロSL2」と比べてもとにかく高反発です。

但し、前方への助力は期待よりも控えめで高い反発性を推進力に変えていかないと上下に跳ねてタイムには繋がらなさそうです。普段のコンディションやパフォーマンスが落ち切らない距離であれば容易に実力+αのペースで走れそうですが、フルマラソン終盤など反発を活かせなくなった時に高い反発性がダメージになるかもしれません(あくまでレース用として)。

コンセプト通りにトレーニングモデルとして考えると「シューズの推進力に甘えず自分で反発を活かす動き」を身につけるための相棒として活躍してくれそうです。

ペース帯問わず万人にオススメ

ペース帯に依らず高い反発を得やすく低速での安定性やクッション性も高いため万人にオススメです。
種々のペースで走りましたが、ペースが上がるほど反発が目立ち、筆者の感覚ではキロ4分半(E,Mペースの間)で最も走りやすかったです。キロ5分後半でも安定しつつも反発感が得られ、キロ3分半でも反発を活かしてグイグイ進めました。ハイスペックモデルのためスロージョグには勿体なく感じますがスピード練習からロング走まで対応するペース帯が非常に広いと感じました。

自己ベストを狙う本命レース用としては、助力の面で「マジックスピード」、「S4」、「ズームフライ」の方をオススメしてしまいますが、最後まで反発を活かせられる剛脚ランナーにとってはペースによる影響を受けにくく大失速のリスクを低減されてくれると考えます。

総じて、ワンランク上の練習・スピードに挑めるシューズを探しているランナーにオススメです。

まとめ

  • Evo1をベースとしたハイスペック軽量トレーニングモデル
  • SL2と別物だが扱いやすい
  • 高反発だが推進力に変える必要がある
  • ワンランク上の練習用にオススメ

「Evo」の冠と発売初動の在庫不足から勝手にハードルを上げて勝手に肩透かしを感じていましたが、2万円以下のシューズとしては普通に高性能で良いシューズでした!ランナーもEvolutionしていきましょう!

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