<レビュー>柔らかソールで別物注意！だが軽量化で全て解決「アディオスプロ4」

こんにちは。2024年11月よりアディダスから「アディオスプロ4」(Adios pro4)が発売されました。筆者は歴代モデルをずっと本命レース用に愛用していて、執念でクリック合戦に勝利してようやく手に入れることができました。

「アディオスプロ4」の特徴
1. スペック・前作との違い
2. 最上級モデル「Adizero Evo1」をベースに設計
サイズ感・履き心地
走行感
まとめ

「アディオスプロ4」の特徴

スペック・前作との違い

スペック及び前作との違いは以下の通りです。スペック上の大きなアップデートは軽量化のみですが、前作（アディオスプロ3）とは別物のシューズとなっています。

ソール厚みは39mm（前作同様）
ドロップは6mm（前作同様）
高反発素材「Light strike Pro」を全面搭載（前作同様）
「Energy Lod」を全面搭載（前作同様）
重量は約200g/27.0cm（約15g軽量化）
ロッカー開始点を67→60%に変更
定価は28,600円（前作は26,400円）

最上級モデル「Adizero Evo1」をベースに設計

「アディオスプロ4」は2023年に発売された最上級モデル「Adizero Evo1」をベースに設計されています。「Adizero Evo1」は軽量化に特化して耐久性が犠牲になっているのに対し、「アディオスプロ4」はより耐久性と性能バランスの取れたスーパーシューズの位置付けとなります。

サイズ感・履き心地

前同様にやや縦長

アディダスは縦長のモデルが多く、アディオスプロ4は前作、他モデルと同じサイズ感でした。そのため普段と同じ〜ワンサイズダウンがオススメです。

横幅は前足部がやや広めですが「ライトロック」アッパーのフィット感が良いため足幅の許容範囲は広いと考えます。

アディダス内でのサイズ感としては、Evo SL＞アディオスプロ4,3,2＝ジャパン、ボストン＞SL2＞タクミセン10に感じました。筆者はアディオスプロ3、ボストン12と同じ26.0cmでジャストフィットでした。

アッパーの履き心地が過去最高

アッパーには新素材の「ライトロック」が使用されています。縦横で伸縮性が異なりニットとメッシュの良いとこ取りをしたような履き心地でとても気に入っています。

前作は硬くザラザラした足当たりでしたが「ライトロック」はサラサラしていて肌触りが良いです。一方で、アッパーが柔らかく足全体に均一にフィットするのに走行中もアッパーがブレずホールド感も良好です。

唯一の懸念として、アッパーの目が非常に細かいため通気性と排水性が悪そうです。夏場に検証したいと思います。

踵部・足首のホールド感も問題なし

踵部と足首のホールド感はアディオスプロ3と同等に良好です。

メタスピードのような硬いヒールカップはついていませんが、滑り止めのクッション材がついていて高さも十分で踵のホールド感は問題なかったです。シュータンも適度な硬さで足首のホールド感も問題なかったです。

走行感

ソールがかなり柔らかいのに足抜け・推進力が良好

アディオスプロ3との一番の違いとして、別物レベルでソールが非常に柔らかいと感じました。

クッションの質は足に優しいというよりも沈み込みを推進力に変えてくれる攻めのバウンド感が目立ちます。沈み込みによる足抜けの悪さを懸念していましたが、ロッカーと肉抜きの設計が良いためか沈み過ぎる前にスムーズに重心移動できクッション性が高いのに足抜けも良好でした。

また、元々ロッカーのメリハリが強かったですが、ロッカー感はマイルドになり良くも悪くもアディオスプロらしい癖が少なくなったと感じました。剛性によるパワーと反応性はアディオスプロ3の方が高いと感じましたが、アディオスプロ4の方がクッション性とオートマチックな推進力のバランスが良くマラソン向きと考えます。

小指側のグラつきが改善

アディオスプロ3は小指側が大きく肉抜きされていて外側にブレやすいと感じていましたが、アディオスプロ4は肉抜きが減り小指側の安定性が改善されました。

前足部の接地面はアディオス3相当に広めですが、競合モデルより踵部の接地面が狭めで踵部の安定性は低めです。そのため、フォアフット寄りのランナーと相性が良いと考えます。

サブ3付近（キロ4:30）からメリットあり

アディオスプロ3に比べてエリート・シリアスランナー向けになったと感じました。

筆者の感覚では、速いペースほどクッション性よりも推進力が上がりキロ4:30以上のペースで走りやかったです。特にキロ3分台では反発の負荷や路面からの抵抗を全く感じずに脚がスムーズに回転しました。一方で、反発のテンポが速いためキロ5分より遅いペースでは接地中に勝手に反発してきて負担を感じる（または推進力を得にくい）と感じました。

総じて、マラソン用としては十分な走り込みができているサブ3狙い〜エリートランナーにオススメです。競合モデルと比べると、アディオスプロ3よりもクッション性が高く、ヴェイパーフライよりも安定性があり、メタスピードよりも反発を得やすい位置づけに感じました。

一般ランナーは履き慣らし・技術が必要かも

筆者のレースペース帯（3:40~4:05）では反発のスイートスポットが狭めで足運びが悪かったり垂れたりすると推進力を得にくくなると感じました。そのため、レースの最後までスイートスポットを踏み続ける技術（履き慣らし）、走力が必要と感じました。筆者の感覚では沈み込みと反発を待つよりも瞬間的に踏んだ方が推進力を得やすかったです。

性能を活かしきれるかは別として、普段からアディダスを履いている筆者にとっては履き替えはスムーズでした。