こんにちは。昨今完成度の高いシューズが増えてきたため、今まで履いていなかったシューズにも食指が向いている筆者です。今回はプーマ「ディヴィエイトニトロ3」（Diviate Nitro 3）を手に入れたので感想を以下にまとめました。
「ディヴィエイトニトロ3」の特徴
スペック・前作との違い
スペックは以下の通りです。昨今主流の厚底ミッドソールとカーボンプレートが搭載されています。
- カーボンプレート搭載（前作同様）
- ソールは高反発「NITROFOAM ELITE」、高安定「NITROFOAM」の2層構造
- 重量は約270g（27.0cm、前作と同程度）
- ドロップは10mm（前作は8mm）
- 定価は19,800円（前作は22,000円）
扱いやすさ、安定性が高いハイエンドモデル
ディヴィエイトニトロは初代から「誰でも履けるカーボンシューズ」がコンセプトとされています。カーボンプレートとして搭載されている「PWRPLATE」は先端が二股に分かれているのが特徴で、適度な柔軟性が得られ扱いやすい設計となっています。
ミッドソールにはエリートモデルにも使用されている高反発素材「NITROFOAM ELITE」と安定性の高い「NITROFOAM」が併用されていて、ミッドソールとしてはエリートモデルに準じるスペックとなっています。
「NITROFOAM ELITE」は昨今では珍しいTPU製で他ブランドのソール素材に比べてコシがあり沈み込みが少ない（安定性が高い）のが特徴的です。
高耐久・高グリップのラバー
アウトソールラバー「PUMAGRIP」はグリップが良好で濡れたアスファルトにもしっかりグリップしてくれます。ラバー自体も厚みがあり耐久性も高そうです。
サイズ感・履き心地
サイズ感は狭め
他ブランドに比べてプーマは細身のサイズ感で「ディヴィエイトニトロ3」も前作同様に横幅が狭めです。
同じサイズではアディダスの「タクミセン10」、「アディゼロジャパン」に近いサイズ感です。普段からアシックスやミズノのシューズを愛用しているランナーにとっては狭く感じると思います。女性の方が足幅が細いの傾向のためか、女性ランナーが履いているのを良く見かけます。
軽量感と安定性が丁度良いアッパー
アッパーの「ENGINEERD KNIT」は伸縮性が低めでオーソドックスな厚みです。厚みと剛性のバランスが良く、クッション性のある履き心地ながらスピードを上げた時もアッパーがブレ難く安定性が良好です。レース用にも普段の練習用にもオールラウンドで使いやすいです。
踵のフィット感向上
これまで（特に初代）は踵が浅めでしたが、「ディヴィエイトニトロ3」はヒールカウンターが高くなりクッションも厚くなり、踵のフィット感が高くなったと感じました。シュータンも適度な厚みで補強も入っていて足首周りのホールド感も良好です。
走行感
前作より高反発でピッチを上げやすい！
前作（ディヴィエイトニトロ2）に比べて高反発ですが、それでも良い意味で反発が強すぎず扱いやすいです。また、高めのドロップにより接地を意識しなくても前に転がるアシストが得られ重心移動が楽でした。
そのため、ソールで弾むよりもピッチ走法でスタスタ走るランナーと相性が良いと感じました。
クッションよりも推進力重視
厚底のためクッション性は十分ですが、競合の厚底モデルと比べるとクッションの沈み込みが少なく反発のテンポが速いのが特徴的でした。
実際に走ると体感よりもキロ10秒程度速く走れていましたが特段脚は楽に感じなかったので「楽に走るよりもペースを底上げしてくれる」シューズだと感じました。
そのため、スタミナがありレース後半が得意だけどパワーを使ってスピードを上げるのが苦手なランナーにオススメしたいです。
下りは暴走注意
ドロップが高いためか、陸橋程度の下り坂では勝手にスピードが上がりやすくコントロールが難しかったです。
レースで使う場合はある程度履きこなしたり、下りに入る前にある程度減速するなどして上手くコントロールすればダウンヒルのスピードモンスターになってくれそうです。
競合モデルとの比較
同様のスペックの競合モデルとしては「マジックスピード4」や「ズームフライ6」が挙げられます。筆者の感覚では以下の序列に感じました。
- 反発性：ズームフライ＞マジックスピード＞ニトロ3
- クッション性：マジックスピード＞ズームフライ＞ニトロ3
- ピッチ：ニトロ3＞ズームフライ＞マジックスピード
- 安定性：ニトロ3＞マジックスピード＞ズームフライ
正直なところ、これまでは特別な魅力を感じず購入に至っていませんでしたが「ディヴィエイトニトロ3」は競合のレースシューズと優劣をつけられないレベルに進化したと感じました。特に、競合モデルでは反発が強すぎる、厚底の不安定さ・テンポの遅さを感じるランナーと相性が良いと考えます。
サブ4.5~3.5に広くオススメ
ソールは過度に反発せず安定性も高いため、コンセプト通り幅広いペース帯で使いやすいと考えます。但し、スピードモデル相応のサポート性能のため、初心者よりもマラソンを完走できる自信がありタイムも狙っていきたいランナーにオススメしたいです。
筆者の感覚ではキロ6分〜4:30まで不満なく走ることができ、ペースが変わっても安定感や走行感があまり変わらず扱いやすかったです。キロ6分台でもデメリットは感じませんでしたが、サポート機能のあるシューズの方が楽に走りやすいと考えます。
キロ4分付近からシューズの重さやもたつきを感じたため、サブ3狙い、それ以上のランナーは「ディヴィエイトニトロエリート」などのハイエンドモデルの方がスピードを出しやすいと考えます。ピッチを上げやすく接地感も感じやすいため短い距離の流しでればキロ2分台でも違和感なく使えました。
総じて、マラソンサブ4.5~3.5のレース用からトレーニングまで広く使いやすいと考えます。
まとめ
- 反発性が向上
- 沈み込みが少ないクッションでピッチ走法にオススメ
- サイズ感は横幅が狭め
- 下り坂はオーバーペースに注意
- マラソンでサブ4.5〜3.5のレース用、練習用として広くオススメ
巷では「ディヴィエイトニトロエリート3」が好評のため練習用・ダウンシフトとして「ディヴィエイト3」も人気が出るような予感がします。シューズの選択肢が増えて悩ましくなりましたが良い相棒を見つけていきましょう！
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